今回は、私がかつて住んでいた下宿の住人の話です。
裏本やビニ本とは無関係で、単なる私の思い出話です。
私の下宿は、大家さんの敷地のなかにありました。
そのため大家さんの自宅一軒家と共通の門を抜けて、奥にある下宿に入ります。
GoogleMapで確認すると、現在も、大家さんの自宅は存在していましたし、
下宿の建物もまだ存在しているようでした。
ただし、現在も下宿をやっているのかどうかは不明です。
さて、この下宿ですが、1階に2部屋、2階に3部屋ありまして、
私を含めて1階に2人、2階に2人、合計4人の学生が住んでいました。
全員が同じ学校の学生です。
私は2階に住んでいたのですが、私の部屋の隣が空き部屋で、
階段を挟んで、その隣に中部地方から来ている学生が住んでいました。
私と同じ年の入学なので、同級生になります。工学部の学生でした。
名前を仮にミヤウチ(仮名)としておきます。
ところで、下宿の近くにジャスコがありました。現在もイオンとして営業しています。
私は外食が基本だったので、ジャスコで食材を買った記憶がほとんどないのですが、
ミヤウチはジャスコで食材を買い、下宿で調理していたように記憶しています。
あるとき、彼がジャスコのカゴを持ったまま下宿に帰ってきました。
中には、その日買った食材が入っています。
店内で使い、レジで精算する際に返却する買物カゴです。
レジで精算を済ませたあと、そのままの状態で帰ってきたようです。
当然、そのカゴはどうしたという話になりましたが、
「『あれ? お客さん、ちょっと…』とか言われたけど、
『あ、いや、ん~』と言ってそのまま持って帰ってきたがや…」
ミヤウチは少し酔っぱらっているようでした。
そして私に、「これ使う?」と言ってカゴをくれました。
30年前の出来事です。
そのカゴは実はまだ私の家にあります。なぜか捨てられませんでした。
私は、これまで何度も引越しして、住居を10回以上変えていますが、
まさかそのとき、30年後もそのカゴを持っているとは思いもしませんでした。
そのカゴを見るたびに、ミヤウチを思い出さざるを得ず、
こうしてブログにまで書くようになるとは、何とも複雑な気持ちです。
ちなみにトップ画像は、ビニ本「KURUMI くるみ」(コンパル出版)からのものです。
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