くるみ_45

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今回は、私がかつて住んでいた下宿の住人の話です。

裏本やビニ本とは無関係で、単なる私の思い出話です。

私の下宿は、大家さんの敷地のなかにありました。
そのため大家さんの自宅一軒家と共通の門を抜けて、奥にある下宿に入ります。

GoogleMapで確認すると、現在も、大家さんの自宅は存在していましたし、
下宿の建物もまだ存在しているようでした。

ただし、現在も下宿をやっているのかどうかは不明です。

さて、この下宿ですが、1階に2部屋、2階に3部屋ありまして、
私を含めて1階に2人、2階に2人、合計4人の学生が住んでいました。

全員が同じ学校の学生です。

私は2階に住んでいたのですが、私の部屋の隣が空き部屋で、
階段を挟んで、その隣に中部地方から来ている学生が住んでいました。

私と同じ年の入学なので、同級生になります。工学部の学生でした。

名前を仮にミヤウチ(仮名)としておきます。

ところで、下宿の近くにジャスコがありました。現在もイオンとして営業しています。
私は外食が基本だったので、ジャスコで食材を買った記憶がほとんどないのですが、

ミヤウチはジャスコで食材を買い、下宿で調理していたように記憶しています。

あるとき、彼がジャスコのカゴを持ったまま下宿に帰ってきました。
中には、その日買った食材が入っています。

店内で使い、レジで精算する際に返却する買物カゴです。

レジで精算を済ませたあと、そのままの状態で帰ってきたようです。

当然、そのカゴはどうしたという話になりましたが、

「『あれ? お客さん、ちょっと…』とか言われたけど、
『あ、いや、ん~』と言ってそのまま持って帰ってきたがや…」

ミヤウチは少し酔っぱらっているようでした。

そして私に、「これ使う?」と言ってカゴをくれました。
30年前の出来事です。

そのカゴは実はまだ私の家にあります。なぜか捨てられませんでした。

私は、これまで何度も引越しして、住居を10回以上変えていますが、

まさかそのとき、30年後もそのカゴを持っているとは思いもしませんでした。

そのカゴを見るたびに、ミヤウチを思い出さざるを得ず、
こうしてブログにまで書くようになるとは、何とも複雑な気持ちです。

ちなみにトップ画像は、ビニ本「KURUMI くるみ」(コンパル出版)からのものです。

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