今回取り上げたのは、
ビニ本界隈ではかなり有名な作品だと思います。
私は、
本作をずっと見てみたいと思い続けており、
念願かなって購入できたのは、
比較的最近のことでした。
見たことがないのに、
なぜ存在を知っていたのかといいますと、
当時のエロ本で紹介されていたからです。
表紙カットで、
和式便所のなかから顔を出し、
お姉さんのおしっこを口で受け止めているのは中野D児氏です。
中野D児氏は、
私が毎月買っていた「ボディプレス」の二代目編集長でしたし、
当時よく見ていたエロ本で、
取り上げられていることが多かったので、
出演作や、
監督作品に注目するようになりました。
「ビニ本大全集」(昭和57年10月5日発行 東京三世社)に、
本作のことについて語った、中野D児氏のインタビューが掲載されています。
おしっこを飲んだことについての感想も語っていて、
“もー真っ黄っ黄ですよ(笑)。
あれは美味しくないです。とってもニガいものです。”とのこと。
また、
「アダルトビデオ10年史」(平成3年3月15日発行 東京三世社)には、
“自叙伝”なるものを中野D児氏本人が書いているのですが、
そのなかに、
モデルは林ユミで、
また、このとき中野D児氏がもらったギャラが1万5千円という話も出てきます。
ひとつの作品の舞台裏や、
出演者のインタビューなどを交えて、
満喫できるのは、
エロ本のマニアならではということで、
とても嬉しいです。
というわけで、
本作の内容ですが、
後半の数ページ以外は、
モデルさんの放尿と、
口をあけて受ける中野D児氏のカットが続きます。
放尿シーンはかなり丁寧に撮影されていて、
おしっこの放物線が、
ひとつのつながりになってなく、
大小さまざまな雫の集合体ということがよくわかります。
ちなみに、
モデルさんの股間にはスミベタが入っていて、
マンコは見えません。
そのため、
露出度は高くないものの、
飲尿のインパクトは大きく、作品はヒットしたようです。
ところで、
本作の中身の最終ページに、
アダルトビデオの広告が掲載されています。
VIP・エンタープライズの、
「ドキュメント 女子便所 Part Ⅰ」ほか、排泄モノのビデオです。
1本30000円とかなりの高額です。
発行は、VIP・エンタープライズで、
発売が群雄新社、
また通販の申し込みも、
群雄新社宛になっていました。
自販機本の版元だったエルシー企画が、
アリス出版と合併したあとで、
旧エルシーの面々が、
アリス出版を離れ、ビニ本発行のために立ち上げたのが群雄社です。
群雄社は、薔薇書房という名前でビニ本を出します。
以前に、以下の2作品を取り上げました。
ビニ本「ドキュメント 女子便所 第1集」(薔薇書房)
ビニ本「噴射!! 女子便所 シリーズ第2弾」(薔薇書房)
また、
群雄社と群雄新社はおなじ会社です。
そして、
VIP・エンタープライズはのちにVIPとなり、
いまでいうセクシー女優出演の、
一般的なアダルトビデオもリリースするのですが、
発足当時は、
群雄社発行のビニ本のカラーが強い、
排泄モノが中心でした。
ところで、
1980年代中頃のある時期、
土曜日の深夜1時、つまり日曜日の午前1時から、
ラジオ短波で「セクシーオールナイト」という番組が放送されていたのを、
このブログのどこかの記事で書きました。
番組は2時間で、
CMも流れていました。
そのうちのひとつが
VIP・エンタープライズのCMでした。
作品は女子便所モノです。
おしっこの排泄音が流れたあと、
「大人のメルヘン……ほかのビデオとひと味違うの」という女性のナレーションが流れました。
番組自体もさることながら、
強烈なCMだったのでよく覚えています。
私はイヤホンをしていつも番組をきいており、
また当時、高校生でしたので、
排泄音が下半身にビンビン響きました。
本作の広告を見て、
VIP・エンタープライズのCMを思い出したわけですが、
そうすると、
本作の発売時期は、1983年ごろだと思われます。
-----------------------------------------------------------------------------------------------