出演モデルは中川友美。
手元の資料だと発売時期がわかりませんでしたので、
ネットで調べて“1989年(平成元年)05月頃発売”としています。
彼女の最初の裏本「ザ・デビュー 1987 中川友美写真集」が、
1987年(昭和62年)03月頃に発売されています。
裏本「イリュウジョン」は、その再生本のようです。
モデルの中川友美は、素晴らしい巨乳で、全体的にムッチリとしたぼよよんボディ。
マニアにはたまらない逸材です。
ところで当時、“巨乳”という言葉はありません。
“巨乳”が一般的に普及するのは、1990年代以降のことです。
では、おっぱいが大きな女の子のこと、
または大きなおっぱいのことは、何と呼ばれていたのかというと、
“デカパイ”もしくは“Dカップ”です。
当時のアダルト雑誌「月刊ボディプレス」に以下の記述がありました。
裏本「ザ・デビュー 1987 中川友美写真集」の紹介文の一部で、
斉藤修というライターの方が書いたものです。
「~Dカップの割には、余分なお肉もついておらず、ベビーフェイスで、あそこもきれいと、
なかなか強力な新人ではあります。~」
中川友美の場合、実際のバストサイズはDカップよりも明らかに大きいです。
しかし、当時、大きなおっぱいを“Dカップ”と表現することに、特別な違和感はありませんでした。
少なくとも、エロ本界隈ではそうでした。
とはいえ、“Dカップ”も、そこまで世間一般に浸透していた言葉かというと、
決してそうではありません。
“デカパイ”は、世間一般にはもう少し浸透していたような気がしますが、
エロ本界隈では、“大きなおっぱい=Dカップ”が一般的だったと思います。
ちなみに高度成長期から続く言葉で、“ボイン”というのがありますが、
昭和後期では、ほぼ死後でした。
裏本の話から離れますが、当時、大きなおっぱいを表す言葉である“巨乳”が存在せず、
“Dカップ”も世間一般への浸透度はあまりなし。
これはとても興味深いことです。
ヌードモデルやアダルトビデオ女優、
またアイドルも含めメディアに登場する女子たちを考えたときに、
おっぱいが大きな女の子の割合が少なかったということを意味していると思っています。
正確にいうと、マニアックな領域で扱われていて、
コアなユーザーの目に触れる機会が少なかったということだろうと思います。
裏本やビニ本の業者であれ、アダルトビデオのスカウトマンであれ、
出演に際し、自分のタイプの女の子を選ぶ視点は多少あるかもしれませんが、
同時に、世間で人気が出るだろうという視点も合わせて、
出演交渉なりスカウトなりがおこなわれます。
これまで、具体的には昭和後期から平成以前までは、
中川友美のようなムッチリボディの女の子は、出演交渉からこぼれていた、
つまり一般受けはしないだろうと思われていたということです。
太めムッチリボディの女の子だけをターゲットに、
積極的な出演交渉をする人たちは昔からいましたが、
それはマニアックなユーザーに向けられてのメディアでした。
当然ですが私も、“巨乳”という言葉がまだ存在しない社会を経て、
“巨乳”という言葉が一般化している現在の社会に生きています。
裏本「イリュウジョン」が発売された当時、
「ん~、顔は可愛いけど、ちょっと太り過ぎかな…」そんな感想を持ちました。
しかし今は違います。
「ムッチリボディでおっぱいも大きいし、最高に良い。この豊満な肉に顔を埋めてみたい!」
そんな風に思っています。
社会の価値観と、社会のなかで生きている私の価値観が変化したものだろうと思います。
私の価値観の変化には、個人的なものも含まれるでしょう。
昔は自分も若かったので、自身のルックスはさておき、女性のルックスに厳しかったが、
今は中高年のオヤジなので、太っていようが痩せていようが若い娘はおおむね魅力的に見える。
個人的な価値観の変化というのは、そういう意味です。
裏本と無関係の話が相当に長くなってしまいました。
裏本「イリュウジョン」の内容的なことについては、次回に書きたいと思います。
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