マリア_01

●裏本「マリア」1984年(昭和59年)04月頃発売

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有名な裏本「マリア」です。

その人気ゆえに、
アンダーグラウンドな存在だった裏本を、メジャーでカジュアルにした効果がありました。

裏本業界において、エポックメイキング的な働きをしたといってもいいと思います。

つまり、裏本の歴史を語るときには欠かすことができない裏本です。


出演は、後にアダルトビデオでデビューする“渡瀬ミク”。

ただし、このときは“渡瀬ミク”というモデル名ではなく、“マリア”または、
その後で発売された裏本「少女ケイト」から、“少女ケイト”というモデル名が流通していました。

裏本「マリア」の衝撃は凄まじかったらしく、
当時の「オレンジ通信」では、100点満点で99点。
フェラ描写に迫力が不足しているという理由でマイナス1点でした。

ちなみに、1970年代半ばから1980年代前半にかけて、
雑誌「GORO」(小学館)で連載されていた“激写”というコーナーがありました。

これはカメラマンの篠山紀信が撮影した素人娘のヌードで、
モデルのルックスのレベルの高さから、かなり人気でした。

篠山紀信は、山口百恵にピンクレディーなど、当時のトップアイドルも撮影していましたが、

“激写”コーナーを寄せ集めた増刊号などは、トップアイドルを押しのけて、
素人娘が表紙を飾ることもありました。

それだけルックスのレベルが高かったのですが、

「オレンジ通信」では、その“激写”を引き合いに出し、

「あの激写雑誌にだって、これほどの愛くるしい美少女が登場したことがかってあっただろうか。」

と、裏本「マリア」をベタ褒めしています。

また、これも「オレンジ通信」ですが、

裏本「マリア」と、同時期に発売された裏本「イブの囁き」により、
裏本は第三期のブームに向かいつつあるという記述も見られました。

1980年代半ばの裏本界が、“渡瀬ミク”の登場により、
さらに活気づいていくだろうというエロ本ライター陣の期待が感じられます。

どちらかというと、水商売風のケバいネーチャンが主流だった裏本界隈に、
キュートな女の子、それもアイドル顔の娘の登場は事件だったのでしょう。


ところで、裏本「マリア」の内容的なことに関しては次回に書きたいと思います。

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