令嬢 斉藤さやか_01

ビニ本「令嬢 斉藤さやか」(堀山企画)1986年(昭和61年)09月頃発売

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さすがに取り上げすぎかとも思いましたが、またまた“早瀬沙樹”です。

しかし、モデル名は“斉藤さやか”となっています。

裏本は基本的に一冊出して売り逃げる商売ですので、
出演した女の子にモデル名を付けることはしません。

ではなぜモデル名が付くのかということについては、
裏本「円舞曲 ワルツ」の記事で少し触れました。

モデルが、裏本とビニ本のみに出演している場合には、
後々便宜的に付けられた、モデル名が流通することになりますが、

アダルトビデオに出演となると状況が変わってきます。

ビデオ出演の際に、改めてモデル名が付けられてビデオデビューということになります。

そのとき、裏本やビニ本で呼ばれていたモデル名と同じになることはありません。

1980年代のアダルトビデオは、たとえケバいネーチャンであっても、
清楚な美少女に仕立て上げてイメージを売る商売でした。

“早瀬沙樹”がそうだということではなくて一般論です。

美少女イメージのビデオギャルが、過去に裏本に出演していたということは
スキャンダルともとれます。

だから裏本やビニ本界隈で流通していたモデル名を付けることは考えられません。

かくして、“斉藤さやか”は、“早瀬沙樹”となりました。

裏本やビニ本はあくまでマニアの世界ですが、
アダルトビデオは必ずしもそうではなくて、一般ユーザーへの波及は大きいです。

ビデオ出演時に付けられたモデル名が定着し、
過去に出演したビニ本や裏本も、そのモデル名で扱われることになります。

ビニ本「令嬢 斉藤さやか」が、“斉藤さやか”と銘打っているのは、
ビニ本や裏本界隈では、“斉藤さやか”として名前が流通していたということです。

“斉藤さやか”と入れておけば売れると、ビニ本の版元が思ったからです。

発売時期不明ですが、“早瀬沙樹”としてビデオデビューする前のものだろうと思われます。

なぜなら、ビデオデビューすると、
当時のアダルト雑誌でも特写グラビアなどが組まれて、
一般ユーザーの目にとまる機会が多くなります。

これからビニ本を出して売ろうとするときに、
あえて、ビニ本や裏本界隈で流通しているモデル名“斉藤さやか”と表紙に入れるより、

“早瀬沙樹”としたほうが売れると考えるのは自然です。

しかし、そうなっていないので、ビデオデビュー前だと想像したわけです。

ちなみに今回の、
ビニ本「令嬢 斉藤さやか」は、裏本「蒼い時間(とき)…」の再生本です。

内容的なことについては、次回の後編で書いていきたいと思います。

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