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今回から複数回にわたり、
裏本とビニ本を取り巻く当時の状況についてのお話を書いていきたいと思います。
具体的には、当時のアダルト誌に書かれていた情報を追っていきつつ、
私自身の実体験を交えたお話にしていきたいと思っています。
まず最初に、“当時”とは具体的にいつなのかといいますと、
1980年代の初めから、1980年代半ばごろまでです。
同時に、この時期はアダルトビデオの黎明期でした。
一般ユーザーへの普及が始まったころではありましたが、
スケベなメディアを欲するユーザーたちの多くは、まだ紙媒体を購入するのが一般的でした。
その中に裏本やビニ本も含まれていたわけですが、
裏本がブームになった時期と、ビニ本がブームになった時期とでは若干のタイムラグがあります。
ビニ本のブームがはやくて、その後で裏本のブームが来たという感じです。
1985年4月に販売された当時のアダルト雑誌に、
「ビニ本を生きかえらせるための特集」なるものが組まれています。
つまり、80年代半ば時点で、ビニ本はすでに斜陽気味だったということになります。
その理由にまず挙げられるのが、再生本ばかりが横行していて、
最盛期と比較すると新作の数が少なかったこと。
“再生本”とは何かといいますと、かつて販売されて人気だったビニ本を、
表紙だけ変えて販売したものや、裏本で人気だったものをビニ本として販売したものです。
“再生本”の中には、“複写再生”と呼ばれるものが存在していて、
これは何かといいますと、実際のビニ本や裏本をカメラで撮影して、
その写真を元につくった本のことです。
実際に撮影されたフィルムを使用していないので、
制作側としては、お手軽に安価でつくることが可能ですが、当然写真の質が悪いです。
当時活躍していたエロ本ライターたちは、
最盛期のビニ本に、多かれ少なかれ影響を受けた人たちです。
自分たちがかつて心を躍らせたビニ本。
しかし、ここにきてそのような新作がなかなか出てこない現状を嘆き、
先の特集記事になったのだろうと類推します。
一方、裏本はといいますと、80年代半ばは、まだ勢いがキープされていた頃です。
しかし、下り坂に入っていたような印象はあります。
ただ、裏本は非合法なメディアでありますので、ブームとか勢いがあったといっても、
マニアが中心で局地的な現象です。
一方、ビニ本は、自主規制ではありますが、局部に消しが入っていて、
東京の神田神保町の老舗書店「芳賀書店」を始めとして、
その界隈の書店に陳列されておりました。
また、ビニ本出版社が集まってつくった自主規制機関「JNMA」なるものの存在もありました。
「JNMA」加入の出版社が販売するビニ本は、非加入のものに比べて、消しが濃かったという、
当時のアダルト雑誌の記述もあります。
つまり、グレーゾーンではあるものの、通常のエロ本と同じく、
アダルト専門書店やアダルトショップに置かれているものでした。
価格も裏本よりは安く、手軽に購入できる状況であったのは間違いありません。
当時、テレビの深夜番組に取り上げられたりもしました。
つまり、裏本よりはマニア以外に広がる浸透度も強かったために、ブームなるものが到来して、
その後縮小したのだとも考えられます。
かなり長くなりました。今回はこのへんで…。
次回以降は、価格を含めたお話を書いていきたいと思っています。
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今回から複数回にわたり、
裏本とビニ本を取り巻く当時の状況についてのお話を書いていきたいと思います。
具体的には、当時のアダルト誌に書かれていた情報を追っていきつつ、
私自身の実体験を交えたお話にしていきたいと思っています。
まず最初に、“当時”とは具体的にいつなのかといいますと、
1980年代の初めから、1980年代半ばごろまでです。
同時に、この時期はアダルトビデオの黎明期でした。
一般ユーザーへの普及が始まったころではありましたが、
スケベなメディアを欲するユーザーたちの多くは、まだ紙媒体を購入するのが一般的でした。
その中に裏本やビニ本も含まれていたわけですが、
裏本がブームになった時期と、ビニ本がブームになった時期とでは若干のタイムラグがあります。
ビニ本のブームがはやくて、その後で裏本のブームが来たという感じです。
1985年4月に販売された当時のアダルト雑誌に、
「ビニ本を生きかえらせるための特集」なるものが組まれています。
つまり、80年代半ば時点で、ビニ本はすでに斜陽気味だったということになります。
その理由にまず挙げられるのが、再生本ばかりが横行していて、
最盛期と比較すると新作の数が少なかったこと。
“再生本”とは何かといいますと、かつて販売されて人気だったビニ本を、
表紙だけ変えて販売したものや、裏本で人気だったものをビニ本として販売したものです。
“再生本”の中には、“複写再生”と呼ばれるものが存在していて、
これは何かといいますと、実際のビニ本や裏本をカメラで撮影して、
その写真を元につくった本のことです。
実際に撮影されたフィルムを使用していないので、
制作側としては、お手軽に安価でつくることが可能ですが、当然写真の質が悪いです。
当時活躍していたエロ本ライターたちは、
最盛期のビニ本に、多かれ少なかれ影響を受けた人たちです。
自分たちがかつて心を躍らせたビニ本。
しかし、ここにきてそのような新作がなかなか出てこない現状を嘆き、
先の特集記事になったのだろうと類推します。
一方、裏本はといいますと、80年代半ばは、まだ勢いがキープされていた頃です。
しかし、下り坂に入っていたような印象はあります。
ただ、裏本は非合法なメディアでありますので、ブームとか勢いがあったといっても、
マニアが中心で局地的な現象です。
一方、ビニ本は、自主規制ではありますが、局部に消しが入っていて、
東京の神田神保町の老舗書店「芳賀書店」を始めとして、
その界隈の書店に陳列されておりました。
また、ビニ本出版社が集まってつくった自主規制機関「JNMA」なるものの存在もありました。
「JNMA」加入の出版社が販売するビニ本は、非加入のものに比べて、消しが濃かったという、
当時のアダルト雑誌の記述もあります。
つまり、グレーゾーンではあるものの、通常のエロ本と同じく、
アダルト専門書店やアダルトショップに置かれているものでした。
価格も裏本よりは安く、手軽に購入できる状況であったのは間違いありません。
当時、テレビの深夜番組に取り上げられたりもしました。
つまり、裏本よりはマニア以外に広がる浸透度も強かったために、ブームなるものが到来して、
その後縮小したのだとも考えられます。
かなり長くなりました。今回はこのへんで…。
次回以降は、価格を含めたお話を書いていきたいと思っています。
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