セシル ミニスカート・スタイル集 1_01

ビニ本「セシル ミニスカート・スタイル集 1」(松尾書房)1980年(昭和55年)発行

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今回は、
松尾書房の作品を取り上げました。

これまでいろいろな記事内で、
松尾書房の名前を出したのですが、

松尾書房発行の作品を取り上げるのは、
おそらくはじめてです。

表3に、
“編集兼発行人 松尾洋三”とあり、

その下に松尾書房の住所、
そして“1980”の文字があります。

1980年に発行されたものです。

本作は、
B5判で総ページ数は64ページ。

背表紙がないタイプで、
本の真ん中が金具でとめられている、いわゆる中綴じとよばれるものです。

B5中綴じは、
当時の自販機本に多くみられた仕様ですから、

本作も自販機本のように映るのですが、
自販機で売られているのではなく、ビニ本だと思われます。

私は本作を、
最近になって手に入れました。

このブログをはじめてから2度、
神田神保町に行っていますが、

そのとき買ったものです。

陰毛が透けてみえていたり、
マンコ形状が確認できたりします。

しかし、
いまみると、露出度はたいしたことないと思ってしまいます。

おそらく、
ベール本全盛期の80年代半ば当時に本作を見ても、

同じ感想だったでしょう。

ところが当時は、
読者が腰を抜かすくらいの衝撃があったと、

後に発売されたエロ本に書かれていました。

そのうちの一冊、
「ビニールアイドル VINIL IDOL 47」(白夜書房 昭和62年6月15日発行)に、

本作についてのコメントが掲載されていました。

「ビニールアイドル VINIL IDOL 47」は、
このブログでも何度も取り上げている雑誌で、

松尾書房発行のビニ本の紹介で構成されています。

“松尾書房完全カタログ”として、
全130冊の紹介や、前述の編集兼発行人、の松尾洋三社長のインタビューなど、

盛りだくさんで、
80年当時のビニ本を知るマニアには懐かしく、

そして私のようなベール本全盛期を過ぎてから、
ビニ本に興味を持ちはじめた新規マニアには新鮮に映ります。

というわけで、
以下、本作に添えられていたコメントです。

“ だからね、おじさんはね、松尾書房のファンなんだけど、
一つだけ、腹立つことがあるのね。
うーむ、この、タイトルに出ている「ミニスカート・スタイル集」というやつね。
松尾の本で、タイトルにこう打ってあるのはほとんど例外なく、
他のシリーズよりもミニスカが出てこないのよ。
で、この本も、ミニスカなんてほとんど出てきましぇーん。
普通の単発路線なのねん。えーい、何度だまされたことか、
プンプン。”

あらためて本作の内容ですが、
“佐野千草”というお姉さんと、

“大江啓子”というお姉さんが出演しています。

佐野千草が、
前半の34ページに登場。そして大江啓子が後半の18ページに登場しています。

佐野千草さんのほうがメイン扱いです。

ちなみに表紙も、
記事のあとに掲載した裏表紙も、

佐野千草さんしか登場していません。

佐野千草さんは、
湖の畔のような場所でポーズをとっているカットもありましたが、

外撮りカットの数は少なく、
部屋のなかでの半裸、またはパンツ一枚でのポーズがメインです。

スケパンから陰毛が透けているカットが複数あり、
見どころとなっています。

後半登場の、
大江啓子さんは川にキャンプにやって来た設定です。

テントをはって、
飯ごう炊飯もやっていて本格的なキャンプです。

そして、
おもむろに川のなかにはいり、

服を脱いで全裸に。

パンツの生地が薄くなく、

陰毛のカゲらしきものが確認できる程度の露出度ですが、

屋外で全裸は相当に大胆です。

ただし、
ふたりとも、私の股間にはほぼ響きませんでした。

仕方がないことだと思います。

ところで、
「ビニールアイドル VINIL IDOL 47」に掲載されている松尾洋三社長のインタビュー記事は、

松尾書房のビニ本がいかにして誕生し、

そして終焉していったかについて、
とても興味深い話が書かれています。

いずれ紹介していきたいと思うのですが、
今回は、私が印象的だと思った松尾洋三社長の話を以下に載せました。

“旧態依然のヌードはどれも同じにしか見えなかったんですね。
つまり、陳腐であると。作るならば、日常性の色濃いもの。
スタジオでプロのヌードモデルを使って、
ポーズをつけて撮るものではなくて、素人の女の子と一緒に生活して、
そんな日常の一コマを瞬きするようにカメラで写せないかな、と。”

ということで、
1970年4月、ビニ本第一号といわれている、
「ワイルド・プライベート」が刊行されるわけですが、

初版が三か月で完売し、
書店からはやく次を出せという催促されたとのことでした。

直接は関係ないにしても、
私が夢中になったベール本の源流があると思うと、

感慨深いものを感じました。

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セシル ミニスカート・スタイル集 1_64