マンコふたつが縦に重なっているインパクトのある表紙です。
女ふたりと男優たちとの複数プレイを想像するのですが、
男は登場せず、女ふたりのレズです。
スケパンをはいただけの状態でちちくり合ったり、
バイブをマンコに挿入したりしていますが、全体的にソフトなプレイが続きます。
ふたりのモデルはけっこう対照的なルックスをしていまして、
表紙で上になっている青いスケパンのモデルは、スレンダーボディで美乳。
清楚なOLという雰囲気があります。
一方、表紙で下になっているピンクのスケパンのモデルは、
ムッチリボディで短めのチリチリパーマが印象的な風俗嬢っぽいルックスをしています。
しかし、肉ビラは清楚系OLのほうがハミ出しが大きく、
マンコに限ってはチリチリパーマのほうがややキレイでした。
私の手元のオレンジ通信には掲載がありませんでしたが、
「裏本大全集」(東京三世社)で紹介されていました。以下、紹介文の全文です。
“ややソフトなレズ本である。とはいえ、丸見せバイブ挿入は一応ある。
ブスと美形、太目とスリムGALの組み合わせ。これがレズ本の典型だ。”
2ページにわたり、レズビアンの裏本が紹介されているのですが、
そのなかの一冊です。
ところで、発売時期ですが、
いつも参考にさせてもらっています「さとり資料館」さんのサイトに従い、
1982年(昭和57年)02月としました。
ついでに1982年前後、ビニ本業界でどういう動きがあったのかを調べてみました。
おそらくこの時期はまだ、
“裏本業界”というものは、少なくともマニアやライター陣には意識されていません。
以下、「ビニールアイドル VINIL IDOL 47」(白夜書房)からの引用です。
“つまり、この夏にチョロチョロ出はじめるゲリラ的単発裏本の出現
(これら初期モロ出し本は、みな大手ビニ本出版社の製作したものである)の背景には、
次の一手に苦慮した(特にSMではなく美少女本専門)ビニ本会社の苦悩ともいうべきものがあった。
いくつかはこの年にVD界へ移行もしている。”
“この年”というのは1981年(昭和56年)です。
1981年の夏に“ゲリラ的単発裏本”が、“チョロチョロ出はじめ”、
“昭和56年暮、無修正の本番ファック本がかの地に忽然と姿を現し、
『金閣寺』や『ぼたん』などは飛ぶように売れた。”(「裏本大全集」東京三世社)
ということで、裏本「ひとめ惚れ」は時期的に初期の裏本です。
また、
「ビニールアイドル VINIL IDOL 47」(白夜書房)にビニ本に関する年表がありましたので、
以下、少し引用します。
“1981年1月 ビニール本発禁率9割。ビニ本会社摘発率8割になるがビニ本熱おさまらず。
2月 神田はピークをすぎ、新宿にビニ本店23店と急増。元ヌードモデル兼自販機本編集者
小暮祐子(東女在学)の業界暴露本『恋人たち』売れる。”
1981年の3月には、
このブログで何度も取り上げていますビニ本版元の自主規制団体である、
日本新雑誌協協議会(JNMA)が正式に発足するのですが、
JNMAマークが入ったビニ本は、読者に内容がおとなしいと思われて売上が良くありませんでした。
また一方、
摘発されると必ず税務署が入る話は、以前の記事「ビニ本・裏本と自主規制」で書きました。
改めて以下に引用しました。
“まぬけな話だが、警察にパクられると、半年くらいして間違いなく税務署が入るのだ。
絶対に情報が漏れているに違いない。”(「ポルノ雑誌の昭和史」川本耕次著 ちくま新書)
摘発→税務署が来る、という流れでビニ本版元が次々と弱体化していきます。
そんななか、
1981年の夏ごろに無修正の“ゲリラ的単発裏本”が出はじめるというわけです。
話は変わりますが、
元モデルの“小暮祐子”というお姉さんは、このブログで何度か取り上げています、
ボディプレスの連載「早川修平の自販機本グラフィティ」にも名前が登場します。
“そして小暮祐子オネァーサンの登場もこの頃だった。モデル募集の広告を見て応募して来社した時、
ボクは徹夜明けで寝てました。ハッキリ言って。 彼女と初めて口をきいたのは撮影の時だった。
日本女子大で文芸クラブに所属していると言っていた。つまり〝物書き〟になりたいというわけで、
それならとスタッフの仲間入りとなったわけ。”
ちなみに、当時のエルシー企画は、水没した高田馬場の事務所を離れ、
いちおうライバル関係のアリス出版の近くの事務所に移転したころです。場所は池袋です。
アリス出版に吸収合併されるのは、もう少し後の話になります。
私は当時、“業界暴露本『恋人たち』”を読んでおらず、最近になって手に入れました。
エルシー企画の自販機本のモデル体験が、
女性らしい繊細なモノローグで語られていてとても面白いです。
余計な話ですが、
「ビニールアイドル VINIL IDOL 47」(白夜書房)では“東女在学”ですが、
「早川修平の自販機本グラフィティ」(「ボディプレス」白夜書房)では、
“日本女子大で文芸クラブに所属している~”となっていました。
それはともかく、いろいろなトピックや人物のことが、
複数の雑誌や書籍などで横断的につながるのは、マニアとして嬉しい限りです。
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