表紙を見たとき、アイドルか女優がビニ本に出演していると思い驚きました。
それほどまでに極上なルックスの女の子です。
しかも、
表紙がいちばん可愛くなく写っていて、それでこのレベルです。
若いときの小林麻美をエロカワにして、
なおかつ、ぽっちゃりさせたみたいな雰囲気の美人さんです。
当時のエロ本ライター陣にも驚きをもって受け止められたようでして、
オレンジ通信には、
「~溜息が出てしまいますなあ。実に理想的なビニギャルなのだ。」とまで書かれていました。
さらにモデルに関しての情報がまったく出てきてないらしく、
「この娘、ビニールのみにしか出演しておらず、まったく業界外の謎の少女、
略歴不詳だったんですネ。」
とも書かれています。
ここまでルックスが良いと、
アダルトビデオへのオファーもありそうですが、ビニ本以外の媒体への出演はないようです。
さて、内容ですが、通常のビニ本でして、
外撮りのあとでホテルに入り、着衣→着衣パンチラ→スケパンと続きますが、
全裸シーンや、オモチャの類いの登場はありませんでした。
かなりソフトな内容なうえに、消しが濃すぎて、スケパンの中身が何も見えません。
オレンジ通信でも、消しの濃さが問題視されていまして、
モデルが極上にもかかわらず総合点は100点満点で50点でした。
ちなみにモデルの女の子は、美人なのに加えて、
おっぱいが大きくてとてもキレイなかたちをしています。
乳首も小さめでピンク色ですし、肌も色白でキレイ。
顔だけでなく身体も極上の娘さんです。
ここまで上質なモデルさんだと、
ほかの出演作とかを含めて、いろいろ知りたくなってくるのですが、
そう思いながら何度も中身を見ているうちに、何となくですが違和感を覚えました。
それが以下のふたつです。
ひとつは、冒頭の外撮りカットです。
表紙から1ページめくった、表2から次の3ページ目が外撮り写真になっているのですが、
ここに写っている車と彼女の服装に、1970年代テイストが感じられます。
またふたつめですが、発売時期が1980年代半ばのビニ本だと、
ベールがひとつくらいあってもよさそうなものですが、全部スケパン着用です。
以上のふたつの点から、1985年発売ではなくて、
1970年代終わりから、1980年代初期にかけて発売されていたものを、
再発したものではないかと思ったわけです。
しかし、そう思う一方で、昔の本の再発ではないかもという気持ちも消えませんでした。
その理由を以下に書きます。
表紙の赤いトレーナーのブランドは「HANG TEN」です。
ロゴが見えている着衣カットが、中身で数点使われていますから間違いありません。
ファッションに疎い私でも、このブランドは知っています。
「HANG TEN」のトレーナーに、娘さんのセミロングのヘアスタイル。
テニスサークルに入って青春を謳歌していそうに見えます。
バブルへ向かう80年代半ばの女子大生というイメージです。
というわけで、80年代初頭に発売されたものの再発か、
それともやはり85年の発売かはよくわかりませんでしたが、
何度もページをめくって見ていると、さらに発見がありまして、
外撮り写真に、銀行か信用金庫かわかりませんが、金融機関の外壁が写り込んでいます。
写り込んでいるというか、金融機関の前でモデルが立っているところを写しているのですが、
金融機関の外壁にポスターが貼られています。
どんなポスターかといいますと、
そこに「給与振込はハートの●●」(●●は漢字2文字ですがぼやけていて読めず)と書かれていて、
その隣にテニスの格好をした女の子がラケットを持っています。
おそらくは、
「給料のやり取りを銀行でお願いします」ということを促進するためのポスターだと思います。
ある程度以上の年齢の方だと覚えがあるでしょうが、
当時、給料は、金額分の現金紙幣と硬貨を毎月会社から手渡しされていました。
給与手渡しだったのが銀行振込になったのはいつからだろうと思い出そうとしましたが、
少なくとも私が学校を卒業して、会社員になった1990年にはすでに手渡しではありませんでした。
では自分の父親はどうだったのだろうかと思い出しますと、
父親は零細企業の会社員でしたが、
1980年代の半ば頃まで手渡しでもらってきていたように思います。
大企業と中小零細では時期に隔たりもありますから、
結局のところ、ビニ本「マドンナ」の発売時期特定には役に立ちませんでした。
やはりオレンジ通信の情報通り、
1985年10月頃の発売というのが妥当な線かもしれないと思い直した次第です。
また、表紙の感じも、80年代半ばを彷彿とさせる“ヘタウマ”テイストではあります。
と、ここまで書いていましたが、新たな発見がありました。
「増刊 オレンジ通信 資料号 VOL.1」の冒頭に、同じモデルのビニ本が掲載されています。
それがビニ本「恋人」(企画室パンドーラ)です。
以下、紹介文の全文です。
“スケパン度は旧時代のものだ。しかし、それもそのはずなのだ。
あの一世を風ビした少女の復刻(有ネガ)本!!”
モデル名も不明で、どのビニ本に出演しているのかもわからないため、
調べようがありませんでしたから、たまたま見つけたわけです。
当時のアダルト雑誌を探れば、もっと出てくるかもしれません。
“一世を風ビした”と過去形になっていますから、
おそらくビニ本全盛の1980年代前半の発売で間違いないと思いなおした次第です。
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