おとなの妄想くらぶ

昭和から平成にかけての、
アンダーグラウンドメディアのお話を中心に綴っていきたいと思っています。
ときに、そこから逸脱することもあるかもしれませんが、
よろしくお願いいたします。

くるみ_03

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今回から複数回にわたり、
裏本とビニ本を取り巻く当時の状況についてのお話を書いていきたいと思います。

具体的には、当時のアダルト誌に書かれていた情報を追っていきつつ、
私自身の実体験を交えたお話にしていきたいと思っています。

まず最初に、“当時”とは具体的にいつなのかといいますと、
1980年代の初めから、1980年代半ばごろまでです。

同時に、この時期はアダルトビデオの黎明期でした。
一般ユーザーへの普及が始まったころではありましたが、
スケベなメディアを欲するユーザーたちの多くは、まだ紙媒体を購入するのが一般的でした。

その中に裏本やビニ本も含まれていたわけですが、
裏本がブームになった時期と、ビニ本がブームになった時期とでは若干のタイムラグがあります。

ビニ本のブームがはやくて、その後で裏本のブームが来たという感じです。

1985年4月に販売された当時のアダルト雑誌に、
「ビニ本を生きかえらせるための特集」なるものが組まれています。
つまり、80年代半ば時点で、ビニ本はすでに斜陽気味だったということになります。

その理由にまず挙げられるのが、再生本ばかりが横行していて、
最盛期と比較すると新作の数が少なかったこと。

“再生本”とは何かといいますと、かつて販売されて人気だったビニ本を、
表紙だけ変えて販売したものや、裏本で人気だったものをビニ本として販売したものです。

“再生本”の中には、“複写再生”と呼ばれるものが存在していて、
これは何かといいますと、実際のビニ本や裏本をカメラで撮影して、
その写真を元につくった本のことです。
実際に撮影されたフィルムを使用していないので、
制作側としては、お手軽に安価でつくることが可能ですが、当然写真の質が悪いです。

当時活躍していたエロ本ライターたちは、
最盛期のビニ本に、多かれ少なかれ影響を受けた人たちです。

自分たちがかつて心を躍らせたビニ本。
しかし、ここにきてそのような新作がなかなか出てこない現状を嘆き、
先の特集記事になったのだろうと類推します。

一方、裏本はといいますと、80年代半ばは、まだ勢いがキープされていた頃です。
しかし、下り坂に入っていたような印象はあります。

ただ、裏本は非合法なメディアでありますので、ブームとか勢いがあったといっても、
マニアが中心で局地的な現象です。

一方、ビニ本は、自主規制ではありますが、局部に消しが入っていて、
東京の神田神保町の老舗書店「芳賀書店」を始めとして、
その界隈の書店に陳列されておりました。
また、ビニ本出版社が集まってつくった自主規制機関「JNMA」なるものの存在もありました。

「JNMA」加入の出版社が販売するビニ本は、非加入のものに比べて、消しが濃かったという、
当時のアダルト雑誌の記述もあります。

つまり、グレーゾーンではあるものの、通常のエロ本と同じく、
アダルト専門書店やアダルトショップに置かれているものでした。

価格も裏本よりは安く、手軽に購入できる状況であったのは間違いありません。
当時、テレビの深夜番組に取り上げられたりもしました。
つまり、裏本よりはマニア以外に広がる浸透度も強かったために、ブームなるものが到来して、
その後縮小したのだとも考えられます。

かなり長くなりました。今回はこのへんで…。

次回以降は、価格を含めたお話を書いていきたいと思っています。

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円舞曲_01

裏本「円舞曲 ワルツ」1986年(昭和61年)05月頃発売

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出演は「薫」というモデルです。

以前に「薫」という裏本に出演していたからです。
「薫」は、あくまで本のタイトルであり、モデル名と明記されてはいませんでしたが、
モデル名が「薫」として流通しました。

どうしてそういうことになるのかを少し書きます。

裏本は、基本的に出演している女の子のモデル名はありません。
裏本の製作や販売は、一回売り逃げの商売でありますから、
モデル名を付ける意味がないからです。

ただし、人気があり何度も出演することになるケースもないわけではありません。
その場合は、名前が付けられることがあります。

裏本業者が付ける場合もありますが、たいていは、アダルト雑誌のライターが勝手に付けます。

当時、裏本やビニ本の紹介ページを掲載したアダルト雑誌が、
いくつかの出版社から販売されていました。
そこに執筆していたライターたちがモデル名を付けて、別の出版社でも扱いやすいように共有する、
また読者にもわかりやすいようにするという意味合いが強かったのだろうと思います。

一方で、1980年代半ばは、アダルトビデオの黎明期。「竹下ゆかり」や「渡瀬ミク」のように
裏本やビニ本からAVデビューする女の子も存在しました。

AVデビューとなるとビデオメーカーでモデル名が付けられるため、
それまで裏本で呼ばれていたモデル名とは異なるケースも出てきます。

「渡瀬ミク」などはその典型で、裏本に出演のみの段階では、
裏本のタイトルから、「マリア」「少女ケイト」などと呼ばれていました。

しかし「渡瀬ミク」としてAVデビュー後は、それ以前に出演した裏本やビニ本も
すべて「渡瀬ミク」出演として扱われることになります。

裏本やビニ本はマニアだけが楽しむ世界であった一方、
AVはそれらよりもはるかに一般ユーザーへの浸透度が高かったためでしょう。

「円舞曲 ワルツ」の裏本に話を戻します。

当時のアダルト雑誌の情報によると、「最後の愛」という本が元本とのことです。
アイドル顔で、すごくかわいいにもかかわらず、マンコにバイブやクスコなどを挿入する
ハードなプレイとのギャップが人気だったようです。

ただし陰唇が肥大していてビロビロになっており、
セックスやオナニーの経験回数はかなりのものだったのではないかと妄想が膨らみます。

“とさかインシン”などと称して否定的な意見もあったようですが、
彼女の出演本は、おおむね高評価です。

ところでこのモデルは、化粧や髪型や出演時期によって、雰囲気が全然違っていて、
同じ人物とは思えないほど変化が見られることも少なくありません。

「円舞曲 ワルツ」ではアイドルっぽくてエロいお姉さん風ですが、
「冬物語」や「愛人願望」では、小悪魔的要素のある情婦のようで、オトナな女に見えます。

同じ人物でここまで雰囲気が違うのかと驚いてしまいます。

当時の裏本撮影などは、もちろんプロのヘアメイクなどは付きません。
彼女が、自分で髪型を変えて化粧もしていたのは間違いなく、
美容系の職種に就いていたことでもあるのでしょうか。

髪型を変えて化粧を変えて別人に見えても、インシンは変わらずビロビロ。
それを見ると何だか安心することも事実です。

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令嬢_01

裏本「令嬢」1986年(昭和61年)06月頃発売

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「あれ? 何で斉藤慶子が裏本に!?」そう思ってしまうくらいよく似ています。
つまり美人でルックスはいい。
しかしヤンキーなヘアスタイルのせいで、美形に見えません。
ヤンキーというよりも水商売風です。

当時のアダルト雑誌の紹介で、壺山貴史という方の紹介文に、
「表紙は地方のキャバレーにお務めのネーちゃんといったヒドイ写真なんですが、
中はバリバリにボッ起させられるカワユイ写真ばかりだぜ!」
という記述もありました。

また、別のエロ本ライターの方の紹介文に、
「中身は「プレリュード」のまんま」というのもありました。
「プレリュード」とは、1986年01月頃発売の、
「令嬢」と同じモデルが出演している裏本のことです。

「プレリュード」を持っている人は「令嬢」を買う必要はないけども、
「プレリュード」を買い逃した人は「令嬢」を買ってもいいかもということです。

本の内容ですが、当時のエロ本ライターたちが、褒めるほどいいとは思えません。
プレイ的には、通常の裏本と大差ない感じで、それはそれでいいし、
女子大生にも充分見えるルックスの良さなのですが、
いかんせんモデルの肌がキレイではない。印刷や製版が悪いという次元の話ではありません。
加えて、全体的に体がくたびれている印象も受けます。

私としては、M字開脚して笑顔で見せた放尿カットくらいしか、目を惹かれませんでした。
このときのおしっこが、黄色く濁っていて汚いのは全然OKです。

また別の突っ込みどころとしては、このヘアスタイルとテニスは似合いません。
“令嬢”というのも、「テニス=お金持ちの令嬢の遊び」と思っている
団塊の世代周辺、またはその上の世代のセンスです。
当時、80年代中頃でも時代遅れなセンスです。
だから何だといいますと、違和感のあるセンスに触れることで、
どうしても製作者側が見えてしまい、嫌な気持ちになってしまうというわけです。

ここでは、愛情をもって裏本やビニ本を紹介していこうと思っているのですが、
どういうわけか、厳しくなってしまいました。少し反省しています。

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