おとなの妄想くらぶ

昭和から平成にかけての、
アンダーグラウンドメディアのお話を中心に綴っていきたいと思っています。
ときに、そこから逸脱することもあるかもしれませんが、
よろしくお願いいたします。

ブルー・ヘブン_01

ビニ本「ブルー・ヘブン」(武蔵出版)1985年(昭和60年)06月頃発売

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本作は、
ビニ本「ペーパー・ムーン」(版元不明)とほぼおなじ内容です。

男1女2の複数プレイ。
ふたりのお姉さんふたりが登場しています。

「ペーパー・ムーン」は唐突にカラミがはじまり、
そして終わる内容でした。

しかし、
本作「ブルー・ヘブン」は、

カラミまでの導入部分が丁寧に描かれています。

さらに表2には、
モデルの名前や男優の名前、またスタッフの名前まで明記されていました。

記事のあとに、
該当の部分を載せました。

導入部分にどんなことが展開されているのかといいますと、

3人は大きな公園での散策や、
サイクリングを楽しんでいます。

また芝生のうえにすわり、
イチャついてもいました。

そしてそのあとは、
部屋のなかでイチャつきます。

しかし、
「ペーパー・ムーン」を取り上げたときにも書きましたが、

疑似本番でカラミはきわめてソフト。

私の下半身には響きません。

お姉さんふたりはパンツを脱いでいますが、
男優は最後まではいたまま。

さらに、
お姉さんの股間はスミベタか、

ボカシが入っていて、
陰毛が見える程度の露出度です。

また、
前半部分にちょっとした文章が掲載されていました。

作品の設定にかんすることかと思っていましたら、
“もてる男の条件は3つある。”という書き出しからはじまる、

恋愛についてのウンチクでした。

さらに気になったのが表紙左上の文章です。

“今、ジャズの時代がやってきた。”ということですが、
内容とまったく関係がないので、

間違って印刷されたのではないかと思ってしまいました。

“森山威男4”というのも意味不明です。

(ネットで調べましたところ、有名なジャズドラマーのかたのようです。
まさかビニ本の表紙に、自分の名前が刻まれているとは思ってないでしょう。)

というわけで、
普段からおとなしい私が、さらにおとなしくなるような内容でした。

ではオレンジ通信です。以下、紹介文の全文です。

“ いい意味でも悪い意味でも武蔵出版の本はすぐわかる。
キスと乳もみだけじゃいくらなんでもサギでっせ。”

そして以下、添えられていた見出しです。

“女2人も用意して結局いちゃつくだけじゃ情けない42点”

そういえば、
「ペーパー・ムーン」の表紙にも、
“古きジャズの美しい音色が聞こえてくる。”からはじまる、

作品の内容とおよそ関係のない文章が書かれていました。

制作側の誰かがジャズ好きということは伝わってきますが、
読者は困惑してしまいます。

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ブルー・ヘブン_02

新婚生活訪門記_01

ビニ本「新婚生活訪門記」(松尾書房)1983年(昭和58年)8月20日発行

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凝ったタイトルロゴが印象的です。

最初見たとき、スターウォーズを連想しました。

ビニ本のクルーが、
新婚さん宅にお邪魔したということでしょうが、

タイトルをキーボードで打ち込むと、
〝ほうもん〟は〝訪問〟となり、〝門〟ではありません。

文章入力の主流が、
ワープロとかパソコンだったら、間違えなかったと思いますが、

80年代当時は手書きですから、
間違いも仕方がないかもしれません。

そんなことはさておき、
ビニ本のパイオニア、松尾書房発行のカラミ作品です。

内容ですが、
表2をふくめ最初の数ページ、

新婚ふたりがいっしょに買物をするシーンが展開されています。

スーパーマーケットで、
仲睦まじく野菜を選んだり、果物ジュースを選んだり、

パン屋でサンドイッチを選んだりします。

そして買物のあとは、
自宅にまっすぐ帰らずに、近くの公園で滑り台に乗ったり、

遊具に乗ったり、
芝生に座りさっき買ったサンドイッチを、

いっしょに食べたりもします。

そのあと自宅にもどり新妻が食事の準備。

しかし、実際に料理はつくっておらず、
台所で立っているだけです。

背後から男優がちょっかいを出して、
新妻のスカートをめくりながらキス。

食事はあとまわしにして、
はやくセックスしようということでしょうか。

ところが直後のページでは、
夫婦でいっしょに食事をするシーンです。

スーパーで買ってきたであろう、
総菜の数々が食卓に並んでいます。

いきなりカラミに展開せず、
きちんと順序だてて進んでいくところは、

松尾書房の物語へのこだわりを感じさせますが、
過激な裏本を知っている身としましては、

展開がまどろっこしくて仕方がありません。

たとえば、
一部の自販機本のように、

破天荒な展開ならまだ楽しめましたが、
本作は新婚ふたりがからみ合うだけの内容ですから、

余計にのろのろした展開に思えました。

続いて食事のあと、
台所で乳繰り合いがはじまりました。

新妻はスケパンをはいており、
陰毛とマンコ形状が透けて見えています。

いよいよセックスがはじまったかと思ったところで、
なぜかカラーページから白黒ページに。

そして、ふたたびカラーページになり、
新妻がスケパンを脱いでマンコ全開になります。

しかし、そのあとベッドに移動するも、
チンポは登場しません。疑似本番です。

結局、
男女が抱き合っただけの内容でした。

スケパン無しのマンコには、
ボカシが入っており、

陰毛は確認できますが、
マンコは見えません。

露出度が低くて、カラミ場面はきわめてソフト。

そうなると、
モデルのお姉さんのルックスに期待するしかないのですが、

そこまで、
魅力的なお姉さんには思えません。

新婚の初々しさがあまりなく、
二号さんといわれても納得してしまうでしょう。

というわけでオレンジ通信です。
以下、紹介文の全文です。

“ まだ新婚三ヵ月目の松尾さんちの御二人は、
休日になると朝っぱらからイチャイチャしてます。
若奥さんにスケスケパンティをはかせて、
ビニ本ごっこをしてみたり、
あるいはおケケをチラリとはみ出させたりもしています。
けれども、二人は合体ごっこするだけで、
決して本気の挿入行為はやりません。
 さて、どうしてでしょう?
でもコレが松尾さんちの正しい習慣なのでした。”

そして以下は、添えられていた見出しです。

“な、なんと。
版元はかの懐かしき松尾書房となっておりました。
これは在庫大バーゲンの一冊でありましょう10点”

ところで、
表3に、版元名と住所、そして“1983年8月20日発行”と書かれていました。

1983年といえば、
松尾洋三社長はすでに会社から退いており、

残った社員たちが問屋業務を続けていたとのことですが、
それも1983年には撤退しています。

本作はほんとうに、
“在庫大バーゲンの一冊”だったのかもしれません。

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ペーパー・ムーン_01

ビニ本「ペーパー・ムーン」(版元不明)発売時期不明

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本作は、

以前に取り上げました、ビニ本「ラブホテル」ワタナベ企画と、
おなじ内容です。

写真の順番が違っていますが、
使用されている写真はまったくおなじように思います。

ただし、
ひとつひとつ照らし合わせたわけではありません。

内容的には男ひとり、女ふたりの3Pです。

ビニ本オリジナルのカラミですから、
疑似本番ですし、そもそも本番する段階まで前戯が進行してなく、

男女が半裸でキスしたり、
男優がモデルのお姉さんの股間に手を添えていたりするだけでした。

きわめてソフトな内容です。

お姉さんの股間を狙ったカットもありましたが、
マンコ亀裂に引っ搔いたような消しが入っていて、

陰毛しか見えません。

いくら複数プレイとはいえ、
マンコが見えずカラミの迫力もまったくないため、

意気消沈してしまいます。

だからこそでしょうか、

いまあらためて見ますと、
背景に写り込んでいるさまざまな昭和のアイテムが気になってしまいます。

撮影場所は、
生活感のある和室でして、懐かしい雰囲気のコタツがいい味を出していますし、

三段のカラーボックスが
横置きされていることにも注目してしまいます。


私も、
三段ボックスを横置きして、

背の高い本やレコードを収納していました。

そして三段ボックスのうえに、
ブラウン管のテレビ。側面がオレンジっぽい色で、いかにも昭和という感じです。

そんななか、
私の目をもっともとらえたのが、

男優が付けている腕時計でした。

上半分にアナログの文字盤があり、
下半分がデジタル表示の時計になっています。

いまでも販売されているのかもしれませんが、
デジアナとか、アナデジとかいうネーミングで、

1980年前後に発売されて、
当時はそこそこ人気だったような記憶があります。

ところで、
本作は、80年代なかば当時のビニ本にはめずらしく背表紙がないタイプで、

本の真ん中が金具でとめられています。

いわゆる「中綴じ」と呼ばれるタイプの製本です。

以前にも何度か書きましたが、

背表紙があるタイプと違い、
広げてもとじてしまわないので、

床や机のうえに置いたとき、
両手を自由に使うことができます。

つまりオナニーには適しています。

しかし本作に限っていえば、
オナニーを誘発されるほどの、激しいカットはひとつもありませんでした。

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